2作品
壇ノ浦を弔う寺に拾われた盲目の琵琶弾き・弦市は、夜ごと使者に導かれ、亡き幼帝を悼む竜宮の宴で琵琶を弾く。竜に悪意はなく、人の恐れが二人の調べを断ち切る――耳なし芳一を翻案した鎮魂の物語。
荒廃した都、羅生門の天井裏に棲む竜は、片腕を斬られ消えた鬼の跡を継いだ者だった。生きるために悪を是とするか——その問いを人格化した竜は、下人の前でただ静かに見届ける。芥川龍之介『羅生門』を翻案した怪異譚。