2作品
貧しい夫婦がひそかに育てる、翼の育たない幼竜。妻は自分の髪を売って竜のための薬餌を求め、夫は祖父の懐中時計を手放して竜の翼を目覚めさせる首飾りを買う。気づかれぬまま重なった二つの犠牲は、竜を通してひとつの奇跡になる。O・ヘンリー『賢者の贈り物』の翻案。
強欲な高利貸しのもとへ、クリスマスイブの夜、時を超える古竜が音もなく舞い降りる。裁く言葉も罰もなく、ただ過去と現在と未来を見せるだけの竜の沈黙が、凍りついた心を静かに溶かしていく改心譚。