1作品
無実の罪で村を追われた機織りの重蔵は、金貨の山に棲む名もなき竜だけを友に、夜ごと硬貨を数えて生きていた。その金が消えた大晦日、雪の中に迷い込んだ幼子を拾ったとき、竜の気配もまた戻ってくる――正体を明かさぬまま、執着の相手を金から命へと静かに移し替えて。